会について

設立趣意

 近世幕藩体制下において最大の藩である加賀藩は、藩の理念型、かつ特殊型とも考えられ、日本近世という時代の解明にとって重要な研究対象である。さらに、加賀藩は、現在の地域アイデンティティーの形成にも強い影響力を与え続けている歴史的要素であり、地域住民の興味・関心の対象でありつづけている。
 加賀藩を対象とした研究は、今日まで、全国で様々な分野の研究者、自治体・大学等諸機関によって進められ蓄積されてきた。しかしながら、これらの研究は、基本的には個々の研究環境の中で個別分散的に果たされ、分野横断的な共同研究も短期的には行われているが持続的なものではなく、様々な研究者が総合的に「加賀藩」という研究対象について議論する場は限られていた。さらに、現代の地域社会の在り方と深く関る対象であるにもかかわらず、研究者と地域住民が共に考え、双方向に交流する場も十分であるとはいえない。
 一方、現在、価値観や社会・経済構造の変化―大学の法人化、中央に対する地方の地盤沈下、情報技術の発展等―により、従来の学問と社会との関係、研究方法や手段、研究の基礎となる歴史資料の保存・利用環境にも激しい変化が生じている。これは、個々の研究者や諸機関が独自で対応できる問題ではなく、相互に協力し、地域社会とも連携して、各自の活動の意義を社会に示していくことが必要であろう。
 こうした現状に対して、このたび本ネットワークを設立し、研究者自らが社会の一員として主体性を持って研究に努めるとともに、社会における研究・学問の普遍的な重要性を喚起することを目指していきたい。

会則

第1条
本会は、加賀藩研究ネットワークという。
第2条
本会は、以下の条項を目的とし、会員自らが研究・研究環境・社会と関わっていくことを目指す。
1.加賀藩(支藩を含む)を中心とした研究の推進(人的な発展)。
地域・分野・立場を超え、全国の研究者の横断的な交流を促進し、広く情報交換をはかり、質の高い総合的な研究を実現する。
2.情報共有による研究環境の充実(物理的な発展)。
研究成果の積極的な共有および、基本文献・史料などの研究情報の蓄積を行い、研究環境の充実を図る。
3.研究成果に基づいた地域社会への貢献(社会的な発展)。
研究成果の活用について、現代の地域社会との関わりの中で、研究者として議論し、提言する。
第3条
本会は、前条の目的を達成するために、以下の事業を行う。
1.研究例会・大会の開催。
2.会誌・その他出版物の発行。
3.情報技術を活用した研究成果および研究情報の蓄積・発信・共有。
4.地域社会への貢献に関する活動。
5.その他学術組織として必要な事業。
第4条
本会の趣旨に賛同し、規定の条件を満たした個人・団体を会員とする。会員は、会のすべての活動に参加し、会誌に投稿することができる。
第5条
本会の最高機関は会員による総会である。総会は年1回開催する。必要に応じて臨時総会を開催することができる。
第6条
年度事業計画などの重要事項については、総会での議決を必要とする。総会での議決は、出席者の過半数以上の承認を必要とする。
第7条
本会の運営のため、以下の役員を置き、運営委員会を開催する。役員は総会において会員より選出する。任期は2年とし、再任を妨げない。
1.代表 本会を代表し、会務を統括する。運営委員会を主催する。
2.副代表 代表の任務を補佐し、代表に事故ある時は、その任務を代行する。
3.運営委員 事業の企画・運営を行う。
4.監  事 会計監査を行う。
第8条
本会の事務局は、代表が指定する機関に置く。
第9条
退会したい者は、運営委員会に申し出なければならない。会則にそむく者は、総会の議決によって、忠告または除名することができる。
第10条
本会の事業年度は、6月1日にはじまり、翌年5月31日をもって終わる。
第11条
本会の経費は、会費・事業収入・寄付金等によってまかなう。

附則1 本会則は、2009年5月16日より施行する。
附則2 会則の変更は、総会の議決による。
附則3 その他、会の運営上必要な事項は、別途細則を定める。

・2022年7月 一部改定

   

    

役員(2023・2024年度)

代表 
石野友康(石川県金沢城調査研究所)

副代表 
宮下和幸(金沢市立玉川図書館近世史料館学芸員)研究統括
竹松幸香(前田土佐守家資料館副館長)

運営委員 
岩田裕斗(石川県近世史料編さん室)事務局(庶務)
上田長生(金沢大学教授)
岡嶋大峰(大阪城天守閣学芸員)大会委員・論集刊行委員
鎌田康平(能美ふるさとミュージアム学芸員)編集委員
小酒井達也(金沢市立玉川図書館近世史料館)事務局(庶務)
千葉拓真(鳥取市歴史博物館学芸員)編集委員
萩原大輔(京都女子大学)
林亮太(石川県立歴史博物館学芸主任)事務局(会計)・論集刊行委員
林正治(国立情報学研究所)事務局(情報発信)
堀井洋(合同会社AMANE)事務局(情報発信)
堀井雅弘(福井県文書館)編集委員
堀井美里(合同会社AMANE)事務局統括・交流会委員
本多俊彦(金沢学院大学教授)
吉田智史(能登印刷株式会社)編集委員
鷲澤淑子(石川県近世史料編さん室)編集統括・事務局(情報発信)

監事 
丸本由美子(金沢大学准教授)
沢田史子(北陸学院大学教授) 

顧問 
中野節子(元金沢大学教授)

事務局 前田土佐守家資料館(〒920-0981石川県金沢市片町2-10-17)

*所属の後は担当委員(順不同・敬称略)

沿革

加賀藩研究ネットワークは2009年5月16日に設立されました。詳しい沿革や、過去の活動については、2019年の10周年記念大会で配布された下記の資料をご覧ください。